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Greeting

日本のクラフトビールをもっと面白く、もっと開かれたものにしたいと思っています。

そこで、この度日本ホームブルワーズ協会(Japan Home Brewers Association)を設立いたしました。

 

日本のクラフトビール文化は1994年に酒税法が一部改正されたことにより始まりました。以来、今日までそれぞれのブルワリーが真剣にものつくりに励み、昨今では日本のいくつかのブルワリーは国際的な品評会で受賞を続けるまでになっています。

また、日本地ビール協会、全国地ビール醸造者協議会、日本ビアジャーナリスト協会などの業界団体によるクラフトビールの啓蒙活動も盛んに行われてきました。 こうした活動により、クラフトビールは日本でも次第に市民権を得てきました。

しかしながら、グローバルな視点から日本のクラフトビールの市場を見ますと、日本国内のビール類の消費全体に占めるクラフトビールの割合は、1994年の地ビール解禁から既に四半世紀が経った現在、未だ1%前後しかありません。

ビール市場の10%以上をクラフトビールが占め、今なお成長を続けているアメリカ合衆国をはじめとする諸外国に比べると非常に見劣りのする数字です。クラフトブルワリーの数そのものを見ても、日本では現在約300社のブルワリーがあるのに対して、アメリカは既に7000社を超えています。イタリアやフランスといった2010年代になってクラフトビールブームが始まった国においてもブルワリーの数は既に日本を大きく超えています。 グローバルな視点で日本のクラフトビール市場を見れば、その成長は極めて遅いと言わざるを得ません。 日本のクラフトビール市場成長の遅さの原因は、日本の固有文化、食習慣、語学の壁などいくつも考えられ、一概にこれだけが原因というものではありません。

また、日本固有の文化にも尊敬をはらい、大切にしてまいりたいと思っています。そのうえで、日本のクラフトビールを今以上に盛り上げ、活力をつけるには、、国際的には今や当たり前になっている家庭でのビール醸造の解禁、いわゆるホームブルーイングを解禁することだと長く思ってきました。 アメリカを例にとれば、既に全州でホームブルーイングは解禁され、全国に110万人ものホームブルワーが居ます。彼らの中でトップブルワーが作るビールは本当に素晴らしく、その独創性も相まって、全米で一番競争の激しいビールの品評会は、ホームブルワーの品評会では無いかとさえ言われています。現にこうしたホームブルワーの中から、プロのブルワーやブルワリーの経営者が育っています。全米醸造者協議会の初代会長チャーリーパパジアン氏も元ホームブルワーです。

 

110万人のホームブルーイングの市場により、アメリカでは日本とは比べ物にならないレベルのクラフトビールに対する関心と情報が市場に溢れています。そしてなにより、ブルワリーとお客様の距離が近いのです。 私はブルワリーオーナーとして、また、ビールの国際審査員として長年こうした状況を見てまいりました。そして、次第に何とか日本でもホームブルーイングをできるようにしたいと思ってきました。

その思いを少しでも多くの方と共有いたしたくこの度日本ホームブルワーズ協会(Japan Home Brewers Association)を設立いたしました。多くの皆様と議論を重ね、必ず日本でもホームブルーイングを実現したいと思います。 どうぞよろしくお願い致します。

​2019年10月1日 会長 鈴木成宗

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